住職就任のご挨拶


平成十五年(二〇〇三)一月十八日に当山第二十七世佛山宗道大和尚が遷化され、同二月一日付をもって曹洞宗管長より辞令を受け、第二十八世住職に就任いたしました。
昭和五十八年七月に副住職に就任するにあたり、すでに檀徒総代会で後任住職としての了承を頂いておりましたので、住職遷化にともない自動的に副住職が住職となった次第です。

とはいえ、私といたしましては、自らの所信を述べ、その上で檀信徒の皆様の信任を得て住職になるという形式をとりたいと以前より考えておりました。
本来、寺院は住職(個人)の所有するものではなく、世襲すべきものでもなく、住職もまた寺院を支える者の一人であり、檀信徒の皆様すべてによってよりよいかたちで護持していかなければならないものであると思うからです。
信任を得るという形式はとれませんでしたが、ここに以下、私の思うところを申し上げてご挨拶とさせて頂きます。
 

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2012/06/01

第二の人生を生きる

Tweet ThisSend to Facebook | by:角田泰隆
世界は今、平和・環境問題、教育・人権問題をはじめ、多くの問題を抱えている。そして現代日本社会は、それらに加えて少子化・高齢化問題が深刻になりつつあり、人々はさまざまな将来への不安を持っている。

結婚しない、あるいは結婚できない人が増加し、独身者が増え、あるいは結婚しても子どもができない夫婦、子どもを望まない夫婦、また経済的事情から子どもは一人二人で、といった夫婦が増え、そしてこれらがさらに少子化に拍車をかけている。

その一方で、高齢化の波が押し寄せ、日本人の平均寿命は高くなり、若者が高齢者を支えきれない状況が迫りつつある。核家族化で一人暮らしの老人が急増し、子どもがいても面倒を見てもらえない、あるいは自ら望んで養護施設に入る老人が増えている。

そのような中で、これから団塊の世代が会社を停年退職する時代となった。日本の社会は、行くさき不安だらけで閉塞感が漂っているようだ。

そんな今、まさに「在家仏教」が待ち望まれているのではないかと、私には思われるのである。
16:00 | 人生