住職就任のご挨拶


平成十五年(二〇〇三)一月十八日に当山第二十七世佛山宗道大和尚が遷化され、同二月一日付をもって曹洞宗管長より辞令を受け、第二十八世住職に就任いたしました。
昭和五十八年七月に副住職に就任するにあたり、すでに檀徒総代会で後任住職としての了承を頂いておりましたので、住職遷化にともない自動的に副住職が住職となった次第です。

とはいえ、私といたしましては、自らの所信を述べ、その上で檀信徒の皆様の信任を得て住職になるという形式をとりたいと以前より考えておりました。
本来、寺院は住職(個人)の所有するものではなく、世襲すべきものでもなく、住職もまた寺院を支える者の一人であり、檀信徒の皆様すべてによってよりよいかたちで護持していかなければならないものであると思うからです。
信任を得るという形式はとれませんでしたが、ここに以下、私の思うところを申し上げてご挨拶とさせて頂きます。
 

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2012/01/18

お葬式の意義

Tweet ThisSend to Facebook | by:角田泰隆

お釈迦様のお葬式

実は仏教では元来、死者に対する送葬儀礼に対して、あまり積極的ではありませんでした。それは、仏教が死後のことより、今を「生きる」ことを大切にしたからであると考えられます。

お釈迦さまは、死を間近にして弟子たちに、これからは「自分自身を頼りに生きて行くこと」と「教えに従って生きて行くこと」を遺言とされました。自らの死後の儀式や供養については何も語りませんでした。おそらくお釈迦様には、そのようなことに心を煩わすことは無用であり、自らの修行に専念してほしいという思いがあったのであろうと私には思われます。

しかし、お釈迦様の死後、お釈迦様の思いに反し、在家信者を中心に懇ろな送葬儀礼が営まれました。お釈迦様に対する強い恋慕の思いが、そうさせたのです。そして、その遺骨は各地に建立された仏塔に納められ、末永く供養が営まれることになりました。
16:00 | 行事